【ch2】フランスラグビーリーグTOP14 第17節トゥーロン×スタッド・フランセ・パリ みどころを詳しく解説!
第17節 トゥーロン VS スタッド・フランセ・パリ
3月1日(日)24:42~
〈みどころ・概要〉
2023年のラグビーワールドカップ開催国フランスが世界に誇る、ラグビー界の最高峰リーグ「TOP14」。全26節のホーム&アウェイの総当たり戦およびプレーオフトーナメントが約11カ月かけて行われる長いシーズンも、すでに折り返しを迎えている。リーグ戦上位6チームのみが進出できるプレーオフを目指す争いは節を追うごとに過熱している状況だ。
第15節終了時点の6強は以下のとおりとなっている。
1位/ボルドー・ベグル(勝ち点52)
2位/リヨン(勝ち点49)
3位/ラシン92(勝ち点41)
4位/トゥーロン(勝ち点40)
5位/ラ・ロシェル(勝ち点38)
6位/クレルモン・オーヴェルニュ(勝ち点36)
──────────────────
12位/スタッド・フランセ(勝ち点24)
好調のボルドー・ベグルが首位を奪還し、2位のリヨンがそれを追う構図に再び戻った。3位以下の4チームの勝ち点は詰まっており、7位モンペリエ(勝ち点36)、8位トゥールーズ(勝ち点35)までが団子状態となっている。上位2チームが一歩抜け出していることを考えると、現在の3位から8位までの6チームのうち2チームがプレーオフ争いから脱落する可能性が高く、毎節の勝ち点、ボーナスポイントの積み重ねが何より重要となる。
なお、日本代表WTB/FB松島幸太朗(サントリー)が来季移籍するクレルモン・オーヴェルニュも現時点で6位と、プレーオフ圏内に踏みとどまっている。今後の動向に注目だ。
今節対戦するトゥーロンとスタッド・フランセは、昨年10月13日(日)の第7節に対戦している。結果はホームのスタッド・フランセが33-30と接戦を制しているが、その後は不調が続き降格の危機が迫っている。それだけにスタッド・フランセはトゥーロンに連勝したいところだが、上位争いを続けているトゥーロンもプレーオフ圏内に留まるためにも、またホームゲームで多くの地元ファンの期待に応えるためにも負けられない一戦となる
■【ホーム】トゥーロン
・クラブ創設/1908年
・本拠地/スタッド・マヨル(トゥーロン)
・主な記録/TOP14優勝4回
ヨーロピアンズラグビーチャンピオンズカップ優勝3回
・第15節現在の順位/4位(8勝2分け5敗・勝ち点40)
今季、長く好調を維持している「銀河系軍団」トゥーロン。世界中の名選手が集結する「ラグビー界のレアル・マドリード」を作り上げたワンマンオーナー、ムラド・ブジェラル会長も今季こそはと期待しているはずだ。
かつてSOジョニー・ウィルキンソン(元イングランド代表)、CTBタナ・ウマガ(元ニュージーランド代表)、CTBマア・ノヌー(元ニュージーランド代表)、WTBブライアン・ハバナ(南アフリカ代表)といったレジェンドが活躍してきた名門で、元日本代表FB五郎丸歩も2016-17シーズンに在籍した。
現在は、昨年のワールドカップ優勝メンバーのLOエベン・エツベス(南アフリカ代表)、FLファクンド・イサ(元アルゼンチン代表)、FLリアム・メッサム(元ニュージーランド代表。東芝でもプレー)、CTB/WTBジュリアン・サヴェア(元ニュージーランド代表)、そして今季スタッド・フランセから移籍してきたNo.8セルジョ・パリッセ(イタリア代表)といった世界的なスターがチームの躍進を支えている。
ラ・ロシェルからやってきたパトリス・コラゾ ヘッドコーチが就任した昨季は9位に終わり、プレーオフ進出を逃した。2013-14シーズンのTOP14優勝(ヨーロピアンズラグビーチャンピオンズカップは2012-13、2013-14、2014-15と3連覇)を最後にタイトルから遠ざかっているだけに、順位を4位まで上げている今季は6シーズンぶりの戴冠の大チャンスと言える。
先に挙げた他国代表選手に加え、左PRセバスチャン・タオフィフェヌア、HOフリストフ・トロフア、FLラファエル・ラカフィア、SOアントニー・ベローなどの元フランス代表選手、そして第15節ブリーヴ戦で2トライを挙げる活躍を見せたWTBダニエル・イクペファンといったメンバーの活躍にも注目だ。
なお、トゥーロンのホームゲームでは試合前に「ピルピル」というMCとファンによるパフォーマンスが行われる。
■【アウェイ】スタッド・フランセ
・クラブ創設/1883年
・本拠地/スタッド・ジャン・ブワン(パリ)
・主な記録/TOP14優勝14回
・第15節現在の順位/12位(5勝1分け9敗・勝ち点24)
1892年、現在のラシン92との対戦がTOP14の起源となったフランスラグビーの祖と言える存在、スタッド・フランセ。リーグ最多の20回優勝しているトゥールーズに次ぐ、14回優勝を果たしているパリの名門だ。近年では2015年に優勝しており、押しも押されもせぬ強豪であることは間違いない。
しかしシーズンによって浮沈が激しいという悲しい伝統がある。大型補強を行った昨シーズンは、2015年のラグビーワールドカップまで南アフリカ代表ヘッドコーチを務めたハイネケ・メイヤー氏が指揮したものの8位に終わりプレーオフ進出を逃すと、コーチング体制が変わった今季は第15節終了時点で12位と低迷。13位のポーと勝ち点24で並んでおり、最下位14位のアジャンは勝ち点22と、下位2チームが対象となる自動降格の危機が迫っている。
ピンクのジャージーが似合うチームの柱は、昨年のワールドカップに出場し日本代表とも対戦したサモア代表PRポール・アロ=エミール、フランス代表として活躍してきたポール・ガブリヤーガとヨアン・マエストリの両LO、同じくフランス代表経験者のFLセクー・マカルー、アルゼンチン代表キャプテンを務めたFL/NO8パブロ・マテーラなど、FWだけを見ても国際経験の豊かさはリーグ屈指と言える。
BKにも、アルゼンチン代表のレジェンドSOニコラス・サンチェス、フィジー代表CTB/WTBワイセア・ナヤザレヴ、オーストラリア代表WTBセファ・ナイヴァルといった世界的な名手が揃っており、FBカイラン・ハムダウィといった優秀なランナーも揃えている。
後がないところまで来てしまっているスタッド・フランセだが、第15節は好調のラ・ロシェルを21-20で破り、復調の兆しを見せた。メンバーは充実しているだけに、ここでトゥーロンにも勝って終盤戦に弾みをつけて、降格だけは回避したい。
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