ch2】フランスラグビーリーグTOP14 第18節クレルモン・オーヴェルニュ×トゥーロン みどころを詳しく解説!
第18節 クレルモン・オーヴェルニュVS トゥーロン
3月22日(日)24:42~
〈みどころ・概要〉
日本代表WTB/FB松島幸太朗(サントリー)が今夏開幕の来シーズンから参戦することで、例年以上に注目度が高まっている世界ラグビー界の最高峰リーグ「TOP14」。全26節のホーム&アウェイの総当たり戦およびプレーオフトーナメントが約11カ月かけて行われる長いシーズンも、早くも終盤の第18節を迎えようとしている。リーグ戦上位6チームが進出できるプレーオフを目指す争いは、第17節終了時点で以下のとおりだ。
1位/ボルドー・ベグル(勝ち点61)
2位/リヨン(勝ち点53)
3位/ラシン92(勝ち点46)
4位/トゥーロン(勝ち点45)
5位/ラ・ロシェル(勝ち点42)
6位/クレルモン・オーヴェルニュ(勝ち点41)
ボルドー・ベグル、リヨンの2強を他の強豪チームが追う構図は変わらない。ただ、リヨンが第17節の敗戦で足踏みし、3位との差がやや接近した。以下の4チームは依然として団子状態で、今回の中継カードの2チーム、トゥーロンとクレルモン・オーヴェルニュの勝ち点差はわずか4。7位のトゥールーズも勝ち点40と肉薄しているだけに、特にクレルモン・オーヴェルニュは6強入りに向けて一つも落とせず、今回のトゥーロン戦の勝敗が大きな意味を持つことになりそうだ。
そのクレルモン・オーヴェルニュは来季の松島幸太朗の移籍先とあって、いま日本のファンから特に注目されている。スコットランド代表として長年活躍してきたSHグレイグ・レイドロー(今季で契約終了の見込み)をはじめインターナショナルプレーヤーが数多く揃っており、毎年のようにプレーオフに絡む名門として知られている。昨年2月2日には代表選手を除いて来日し、トップリーグ選抜と対戦した(岐阜メモリアルセンター長良川競技場。結果は29-50でクレルモン勝利)ことも、日本のラグビーファンにとっては記憶に新しいところだ。トゥーロンには今季TOP14第11節にアウェイで41-19の大差で敗れており、今回のホーム戦はトゥーロンにボーナスポイントを与えずに勝ち点4以上獲得することが必須と言えよう。
一方のトゥーロンは、第17節、最下位のスタッド・フランセに試合終了間際に逆転勝ちし(19-18)4位をキープした。今回は敵地クレルモン=フェランに移動しての試合となるが、クレルモンには前回の対戦で快勝しているだけに自信を持って臨むことになるだろう。
■【ホーム】クレルモン・オーヴェルニュ
・クラブ創設/1911年
・本拠地/パルク・デ・スポール・マルセル・ミシュラン(クレルモン=フェラン)
・主な記録/TOP14優勝2回
ヨーロピアンズラグビーチャンピオンズカップ準優勝3回
・第17節現在の順位/6位(10勝7敗・勝ち点41)
2009-2010シーズンと2016-2017シーズンにTOP14優勝を果たし、すっかり強豪への仲間入りを果たしたクレルモン・オーヴェルニュ。フランス内陸部のクレルモン=フェランを拠点とするチームで、1911年に世界的なタイヤメーカーでありグルメガイドの発行元としても知られる「ミシュラン」のラグビークラブとして誕生した。かつて名称が「モンフェラン」だった2002-03シーズンに、日本代表WTB大畑大介が挑戦したクラブとしても知られる(公式戦出場はならず)。今夏開幕する来季は現日本代表WTB/FB松島幸太朗が移籍することでも知られ、注目度が高まっていくことは必至だ。
連覇を目指した2017-2018シーズンはリーグ戦9位とやや低迷したが、昨季、2018-2019シーズンはリーグ戦2位に入るとプレーオフで決勝まで駒を進め、トゥールーズに24-18で惜しくも敗れた。今季も第17節現在6位とプレーオフ進出圏内につけており、3シーズンぶりの優勝を目指すためにはさらに勝ち星を重ねていく必要がある。今回、ホームに強豪トゥーロンを迎えての一戦で勝ち点4を加えれば総勝ち点45でトゥーロンに並ぶこととなり、まさに大一番と言えよう。
当然ながら戦力も充実している。チームのアタックの起点として、またプレースキッカーとして活躍中の元スコットランド代表SHグレイグ・レイドローは日本でもおなじみの存在だ。コンビを組むのはフランス代表SOカミーユ・ロペス。昨年のラグビーワールドカップ、アルゼンチン戦で逆転ドロップゴールを決めた英雄だ。WTBには現在代表招集中のダミアン・ピノー、WTB/FBにはサモア代表として日本代表と対戦し、トップリーグのリコーでもプレーしたティム・ナナイ=ウィリアムズもおり、国際色豊かな名手たちが各ポジションを固めている。
FWもインターナショナルプレーヤーが多い。フランス代表のスクラムも支えてきた右PRラバ・スリマニ、元オーストラリア代表LOシタレキ・ティマニ、フィジー代表のFL/NO8ペゼリ・ヤトなど3列すべてに世界屈指の実力者が名を連ねている。フランス代表招集中のLOセバスチャン・ヴァアマイナもチームに戻れば、まさにリーグ屈指のFWが形成される。シーズン終盤に向けて代表組の1日でも早いチーム合流が望まれる。
ホームでの勝利で、6強へ生き残りを一気に手繰り寄せたいところだ。
■【アウェイ】トゥーロン
・クラブ創設/1908年
・本拠地/スタッド・マヨル(トゥーロン)
・主な記録/TOP14優勝4回
ヨーロピアンズラグビーチャンピオンズカップ優勝3回
・第17節現在の順位/4位(9勝2分け6敗・勝ち点45)
元日本代表FB五郎丸歩も2016-17シーズンに在籍し、かつてはSOジョニー・ウィルキンソン(元イングランド代表)、CTBタナ・ウマガ(元ニュージーランド代表)、CTBマア・ノヌー(元ニュージーランド代表)、WTBブライアン・ハバナ(南アフリカ代表)といったレジェンドが活躍してきた名門。今なお世界中の名選手が集結している「ラグビー界のレアル・マドリード」トゥーロンは、ムラド・ブジェラル会長が潤沢な資金力を活かして築き上げてきた「銀河系軍団」だ。マルセイユの東、地中海に面した小さな街トゥーロンがホームだが、ラグビー熱の高い街でもある。
今季は順調に白星を重ね、プレーオフ進出圏内の4位という好位置につけている。できればシードとなる2位以上に向けて、さらに順位を上げていきたいところだ。
ラ・ロシェルからやってきたパトリス・コラゾ ヘッドコーチ(現GM)が就任した昨季は9位に終わり、プレーオフ進出を逃した。2013-14シーズンのTOP14優勝(ヨーロピアンズラグビーチャンピオンズカップは2012-13、2013-14、2014-15と3連覇)を最後にタイトルから遠ざかっているだけに、今季こそはタイトルを獲得したい。
現在の中心メンバーは、昨年のワールドカップ優勝メンバーのLOエベン・エツベス(南アフリカ代表)、FLファクンド・イサ(元アルゼンチン代表)、FLリアム・メッサム(元ニュージーランド代表。東芝でもプレー)、CTB/WTBジュリアン・サヴェア(元ニュージーランド代表)、SHソナタネ・タクルア(トンガ代表)、そして今季スタッド・フランセから移籍してきたNo.8セルジョ・パリッセ(イタリア代表)といった世界的なスターたちだ。さらに、フランス代表経験者の左PRセバスチャン・タオフィフェヌア、HOクリストフ・トロフア、FLラファエル・ラカフィア、SO/CTBアントニー・ベローなどの元フランス代表選手、そして第17節スタッド・フランセ戦で殊勲の逆転サヨナラPGを決めた若きSOルイ・カルボネルらの活躍も目覚ましく、名門の看板を支える存在と言える。
相手のホームとなるだけに厳しい雰囲気の中での一戦となるが、勝てばまた一歩プレーオフ進出に近づく大事な一戦となる。
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